HF-START Web Tool 操作マニュアル

“HF-START Web Tool”をお使いになる前にお使いのブラウザで Javascript と ウインドウポップアップ を有効にしておいてください。
また、利用に際しての推奨ブラウザは MacOS Safari, Microsoft Edge, Mozilla Firefox, Google Chrome です。

短波帯電波の伝搬を計算するこのWeb Toolでは、任意のパラメータを指定して計算を実行し、計算結果を確認することができます。

1. 計算条件入力画面

短波帯電波の伝搬計算条件を入力してください。

  1. アマチュア無線モードをONにすることが可能です。 デフォルトでOFFになっています。
  2. 電離圏電子密度分布を選択してください。
  3. 計算する日時を設定してください。
  4. 送信地点を入力してください。
  5. 電波の送信角度、周波数または波長、受信地点を入力し「伝搬経路を設定」ボタンをクリックしてください。
  6. 「計算スタート」ボタンをクリックし、計算処理を開始してください。
    電波の送受信地点間の距離が長い場合などは、計算処理に数分程度かかることがあります。


2. 計算結果表示画面

計算処理が終わると、計算結果がポップアップウインドウで表示されます。
※ブラウザの設定でポップアップが制限されている場合、ポップアップを許可するよう設定を変更してください。

「側面図」や「俯瞰図」の画像をクリックすると、大きなサイズで表示することができます。

「伝搬情報」をスクロールできます。



3. 詳細情報

3-a. 電離圏電子密度分布の選択

計算に使用するモードをボタンで選択してください。
GNSSトモグラフィー、 GAIAモデル、および、IRIモデルから選択可能です。
*初期状態ではGNSSトモグラフィーが選択されています。

3-b. 計算対象の日付・時刻の入力

日時(協定世界時)の入力欄に、計算対象の日付・時刻を協定世界時(UTC)で入力してください。
*計算可能な最新時刻が初期値としてで入力されています。 「最新」ボタンをクリックすることでも最新時刻を入力できます。
選択中の電離圏電子密度分布のデータが存在する範囲で任意に入力することもできます。

3-c. 送信地点の緯度・経度の入力

送信地点の入力欄に、電波の送信地点を入力します。
*「送信経度139.5度、送信緯度35.7度」が初期値として入力されています。
送信地点は、経度・緯度の数値入力または日本と世界の主要な都市からの選択で入力できます。入力欄上部のボタンで形式を切替可能です。

選択可能な地点はGNSSトモグラフィー、GAIAモデルおよびIRIモデルで異なり、下記の表の範囲で指定できます。

  GNSSトモグラフィー GAIAモデル IRIモデル
送信経度(度)東経が正 128 ~ 147 -180 ~ 180 -180 ~ 180
送信緯度(度)北緯が正 30 ~ 46 -90 ~ 90 -90 ~ 90

3-d. 送信電波と受信地点の入力

電波情報・受信地点の入力欄に、送信する電波の情報と受信地点を入力してください。これらは「伝搬経路を設定」ボタンをクリックすることで計算対象の電波情報として登録できます。 2個目以降は「伝搬経路を追加」ボタンをクリックすることで、最大10個まで登録できます。登録した情報は「×」ボタンをクリックすることで一覧から削除できます。

アマチュア無線モードのON/OFFに応じて、それぞれ下記のように入力できます。複数の形式で入力できる場合は、入力欄上部のボタンで切替可能です。
【アマチュア無線モードがOFFの場合】

「天頂角30度、周波数6.055 MHz、受信経度130.6度、受信緯度31.2度」が初期値として入力されています。

【アマチュア無線モードがONの場合】 「打ち上げ角30度、周波数帯3.5MHz(波長 80m)、北海道 (@札幌市)」が初期値として入力されています。

*指定可能な範囲はGNSSトモグラフィー、GAIAモデルおよびIRIモデルで異なり、下記の表の範囲で指定可能です。

GNSSトモグラフィー GAIAモデル IRIモデル
天頂角(度) 0 ~ 79.9 0 ~ 79.9 0 ~ 79.9
仰角(度) 10.1 ~ 90 10.1 ~ 90 10.1 ~ 90
打ち上げ角(度) 10.1 ~ 90 10.1 ~ 90 10.1 ~ 90
周波数(MHz) 3 ~ 30 3 ~ 30 3 ~ 30
波長(m) 10 ~ 100 10 ~ 100 10 ~ 100
受信経度(度)東経が正 128 ~ 147 -180 ~ 180 -180 ~ 180
受信緯度(度)北緯が正 30 ~ 46 -90 ~ 90 -90 ~ 90

3-e. エラーメッセージ

ダイアログタイトル ダイアログメッセージ エラーの内容
サービスは現在利用できません しばらくしてから再度お試しください。 計算処理サーバとの通信に失敗
電子密度データがありません 指定された日時の電子密度データが存在しないため、計算処理が実行できませんでした。 指定された日時の電子密度データが存在しない
タイムアウトエラーが発生しました 計算処理リクエストがタイムアウトによって失敗しました。 計算処理リクエストがタイムアウトによって終了した
計算処理の失敗 プロセスID [ID] の計算処理に失敗しました。 [ID] で示された計算処理リクエストにおいて、計算処理が失敗
計算処理が混み合っています しばらくしてから再度お試しください。 計算処理サーバ上での計算処理が同時実行可能数の上限に到達している
サーバーエラーが発生しました 予期せぬエラーが発生し、計算処理を正常に実行できませんでした。 計算処理サーバ上で予期せぬエラーが発生し、計算処理を正常に開始できなかった

3-f. 伝搬情報

伝搬情報は、伝搬経路ごとに表示されます。それぞれ「PathXX」から始まり、「XX」には01-10などの入力時に設定した伝搬経路の順番が入ります。 次に、1回反射の場合の天頂角、方位角がそれぞれ[zenith]、[azimuth]に表示されます。天頂角および方位角の単位は「度」で記述しています。 次に、送信点の緯度、経度、受信点の緯度、経度、周波数が表示されます。緯度および経度の単位は「度」、周波数は「Hz」です。

次に、反射回数ごとに伝搬情報が表示されます。「Refraction point 」は、それぞれの経路での電波の最高到達点、つまり電離圏での反射点を「緯度、経度、高さ」で示します。 「Propagation time」は、電波が送信されてから電離圏で1回反射されて次に地上で受信されるまでの時間をミリ秒で示します。 「Next launch」はその地上受信点において、地面に反射され再び伝搬する電波の天頂角[zenith]と方位角[azimuth]を表示しています。 また、「Reach point」は、その地上受信点の位置を「緯度、経度、高さ」で示します。「distance to destination」は、設定した受信点と、計算された受信点間の距離のうち、最も小さいものを表示します。

電離圏反射ができなくなったところで「No more hop is possible from now.」の表示がされます。 電離圏反射の回数の最大値を「Max hop」と表示します。ただし、ここでの電離圏反射とは、送受信点が地上にある場合のみを対象とします。

4. 参照論文

4-a. HF-START

4-b. GNSSトモグラフィー

4-c. GAIA

4-d. IRI